発刊によせて
鷺宮のまちに暮らすと寺社林や屋敷林にみどりの豊かさを、路傍の石仏や伝統行事に歴史を感じとることができます。
21世紀を前にまちの歩みを振り返ってみようと、平成11年10月の地域ニュースでお呼びかけをし、関心のある方々にお集まりいただきました。それをきっかけに「鷺宮の歴史をたどる会」が発足し、代表に地区町会連合会会長の早舩二郎さん、編集委員長に詩人の菊田守さんが就かれました。このほかに鷺宮小学校校長の橋本肇先生、郷土芸能に力を注いでいる方、子どもの育成に関わっている方など、多くの人々の参加を得ることができました。
その活動は冊子作りにとどまらず、小学校の授業に関係者がまちの先生として招かれるなど、地域に大きな広がりを見せていきました。平成12年9月に同会の協力で実施した鷺宮地域教育フォーラム「鷺宮の子ども今昔」にも170人を超える参加者がありました。
本書の編集にあたっては専門的な歴史の探求は他に譲ることとして、鷺宮で暮らしてきた人々の記憶をたどることを中心としています。昔のまちの様子や人々の暮らしぶりが、その時代を生きた人ならではの言葉で綴られています。
また、冒頭の「鷺宮の昔」では原始時代から今日までを時代ごとにわかりやすくまとめ、「鷺宮の自然」、「暮らしと行事」、「郷土芸能」、「子どもの遊び」、「資料編」の各分野も編集委員が懸命に調べ、まとめあげられたものです。行間にそのご苦労を感じ取っていただけるものと思います。鷺宮の長い歴史と地域の広がりを考えると、本書に収録することができたのはごく限られたものかもしれませんが、鷺宮の歴史を知り、人々の鷺宮に対する愛着を次代に伝える貴重な資料になるものと思います。
本書の発行にかかわったすべての人々に心から感謝を申し上げます。
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